※この記事は2026年7月13日に大幅リライトしました。2023年の開業当時の体験に、フリーランス4年目・法人設立後の現在の視点と実績を加えています。
こんにちは、くくたるです。
私は2013年から薬剤師としてドラッグストアに勤務し、2023年1月にフリーランス薬剤師として開業、2025年1月に合同会社フリラ・プラスを設立して、現在は20の薬局様と契約しながら、フリーランス薬剤師×法人運営で生活をしています。
「フリーランス薬剤師」という言葉を聞いたことがありますか?
フリーランス薬剤師は、会社に属さずに独立して、自分で働き方を選ぶことができる薬剤師のことです。
「気になるけど、実際に生活できるの?」
「自分に向いているのかわからない」
「何から準備すればいいの?」
この記事は、そんな方に向けた「最初の1記事」です。
フリーランス薬剤師の基本から、収入のリアル、私が開業した2023年と2026年現在で変わったこと、よくある失敗まで、全体像をこの1記事にまとめました。
この記事のポイント(先にまとめ)
✅ フリーランス薬剤師の始め方と収入のリアル
✅ 2023年開業当時と2026年現在で変わったこと
✅ よくある失敗と、次に取るべき行動
フリーランス薬剤師とは
フリーランス薬剤師とは、病院や薬局・会社に雇用されるのではなく、自分で仕事を探して、薬局様などと直接「業務委託契約」を結ぶ薬剤師のことです。
働く場所・日数・時間・単価を自分で決められる(交渉できる)ことが最大の特徴で、例えば「週4日・1日6時間だけ働く」「調剤業務とWEBライターを組み合わせる」といった柔軟な働き方ができます。
私自身、現在は薬局での調剤業務を軸にしながら、書籍の執筆、企業のコラム記事や製品紹介、動画編集などを組み合わせて働いています。

2023年1月の開業当時は3〜4薬局との契約からのスタートでしたが、4年目の現在は20の薬局様と契約させていただいています。
この変化の中身はあとで詳しく紹介します。
向いている人・向いていない人
先に、私が4年間やってみて感じる「向き・不向き」を正直に紹介します。
向いている人
・初めての職場、初対面の人と働くことが苦にならない
・どの薬歴ソフト・レセコンでも「触りながら覚えられる」
・わからないことを自分で調べて動ける
・多少の孤独を許容できる
・お金や手続きの管理を「自分の仕事」として許容できる

意外と盲点なのは、①どの薬歴ソフトでも対応できるパソコンスキル、②ラウンダー的にいろいろな店舗を回る働き方が苦痛にならないこと、③多少の孤独は許容できること、の3つです。
向いていない人
・毎月同じ金額の給料が入らないと強い不安を感じる
・1つの職場で、同じ仲間とじっくり働きたい
・事務作業や税金の手続きは、できれば全部会社に任せたい
向いていないことは、劣っていることではありません。会社員という働き方が合う方は、それが一番の強みになります。
「合わないかも」と感じた方も、この記事を読むこと自体が、自分の働き方を見直す材料になるはずです。
会社員・派遣薬剤師との違い
フリーランスと派遣薬剤師を混同している方が多いので、整理します。一番の違いは契約の形です。
| 会社員 | 派遣薬剤師 | フリーランス薬剤師 | |
|---|---|---|---|
| 契約 | 雇用契約 | 雇用契約(派遣会社と) | 業務委託契約(薬局様と直接) |
| 働く場所・時間 | 会社が決める | 条件を指定して選べる | 自分で決めて交渉する |
| 収入の安定性 | 高い | 比較的高い | 変動する |
| 社会保険 | 会社の社保 | 派遣会社の社保 | 自分で選んで手続き |
| 時給の傾向 | ー | 高め | さらに高めも狙える |
派遣薬剤師は派遣会社に雇用されて働くのに対し、フリーランスは薬局様と直接契約します。自由度が高い分、仕事の獲得も社会保険もすべて自分の責任になる、というのが本質的な違いです。

「安定性が低い=生活ができない」ではないことは、4年間続けられている私の生活が証明になっていると思います。ただし、そのための準備は必要です。
退職前に準備すること
フリーランス薬剤師になること自体は、実は簡単です。薬剤師免許と保険薬剤師の登録があれば、特別な資格は必要ありません。
あとは税務署に行って開業届を提出するだけで、晴れて個人事業主(フリーランス)になれます。
難しいのは「生活を安定させること」で、その土台は退職前の準備で決まります。
①当面の生活費の確保(収入が安定するまでの数ヶ月分)
②社会保険の選択(任意継続・国民健康保険・薬剤師国保の比較)
③開業届などの行政手続きの下調べ
④薬剤師賠償責任保険への加入(フリーランスは必須です)
⑤失業保険・再就職手当の確認(開業でも再就職手当を受け取れる場合があります)
それぞれの詳細は、下記の記事にまとめています。
>>退職後の生活費(健康保険・住民税・年金など)がいくらか計算
>>フリーランスは薬剤師国保に入れる?社保・国民健康保険どれがお得?料金比較
>>フリーランスが加入すべき薬剤師賠償責任保険は?薬剤師会と東京海上日動、三井住友海上火災保険を比較
>>個人事業主・フリーランスの開業で失業保険や再就職手当は貰える?退職後の手続きは?
開業届の手続きは「freee開業」なら無料で終わります
開業届は、税務署に「個人事業を始めました」と届け出る書類です。提出そのものにお金はかかりません。
私は「freee開業」という無料サービスを利用しました。画面の質問に答えていくだけで開業届が完成し、税務署に行かなくても提出まで済ませられます。
実際の手順は、下記の記事で紹介しています。
>>フリーランス薬剤師の開業届は無料のfreee開業で業務効率化
開業届に自宅の住所を使いたくない場合
開業届や請求書には事業の住所を記載するため、「自宅の住所を取引先に知られたくない」という方は意外と多いです。
その場合は、事業用の住所を借りられるバーチャルオフィスという選択肢があります。私はGMOオフィスサポートを利用しています。
>>フリーランス開業で私がGMOオフィスサポートを選んだ理由3選【評判・口コミ】
>>開業届で自宅の住所が使用できない時はバーチャルオフィスがオススメ

開業届とバーチャルオフィスは、退職前でも準備できます。
「退職してから慌てて調べる」を減らせることが、事前準備の一番のメリットです。
仕事を獲得する方法
フリーランス薬剤師の仕事の獲得ルートは、大きく4つあります。
①マッチングサービス
現在はフリーランス薬剤師と薬局をつなぐマッチングサービスが複数あり、最初の0→1はここから達成するのが現実的です。
※「薬剤師経験〇年以上」といった条件が提示されている場合があります。
②人脈・紹介
私の場合、マッチングサービスで紹介いただいた薬局の従業員さんから、別の薬局の経営者様との会食の機会をいただき、そこから直接契約につながった経験があります。
大切なのは、目の前の仕事で信頼を積むことです。
信頼が紹介を生み、紹介が次の契約を生みます。
※なお、マッチングサービス経由で知り合った薬局様を直接契約に切り替えることは会員規定違反になるため、私は行っていません。直接契約はあくまで人脈・紹介の別ルートからです。
③SNS・発信
X(Twitter)やブログなどでの発信は、企業案件(コラム執筆・製品紹介など)につながることがあります。
私も実際に、SNS経由でお仕事の依頼をいただいてきました。
>>X(Twitter)活用で企業案件を獲得!お仕事依頼の採用理由を解説【SNS副業】
④直接営業
薬局様への直接営業は難易度が高めですが、経験として得られるものは大きかったです。
私の初営業の失敗談は下記にまとめています。
>>フリーランス薬剤師!初の薬局営業に行った感想と次回以降の対策
収入が安定するまでの流れ(私の実例)
一番気になるところだと思うので、私の数字を公開します。
1年目:不安定からのスタート
開業直後の1〜4ヶ月は収入が不安定で、毎月ドキドキしながら過ごしていました。月ごとの収入の波は、下記の記事で公開しています。
>>フリーランス薬剤師の年収(月収)は?【調剤薬局・WEBライター】
それでも継続契約が少しずつ増え、1年目の年収は600万円前後になりました。当時の時給は3,600〜4,200円(税抜)です。
単価の決め方
私は、その地域の派遣薬剤師の時給をベースに単価を決めています。
フリーランスの単価が正社員・パートと同程度だと「労働者性がある(実質は雇用では?)」と判断されてしまう可能性があることも、単価を高めに交渉する理由の1つです。

研修認定薬剤師は、フリーランスの単価には反映されにくいと感じています(かかりつけ薬剤師の要件を活かす機会が少ないため)。
ただ、知識とやる気の証明にはなるので、持っていて損はありません。
安定の正体は「継続契約」
4年やってみてわかったのは、収入の安定は高単価ではなく継続契約の数から生まれるということです。単発の高い仕事を追うより「また来てほしい」と言っていただける関係を増やすことが、結果的に一番安定します。
2023年当時と2026年現在で変わったこと
この記事を最初に書いたのは開業1年目の2023年です。4年目の現在との変化を、正直にまとめます。
私自身の変化
| 2023年(開業1年目) | 2026年(現在) | |
|---|---|---|
| 契約薬局数 | 3〜4薬局 | 20薬局 |
| 事業形態 | 個人事業主 | 個人事業主+法人(2025年1月設立) |
| 書籍 | 1冊目を出版 | シリーズ3冊+続巻を執筆中 |
| 活動 | ブログ・SNS | +オンラインサロン運営・交流会の主催など |
特に大きかったのは、法人設立(マイクロ法人)です。
社会保険料の最適化など、個人事業主のときには見えなかった選択肢が増えました。
興味のある方は下記の記事もご覧になってください。
>>マイクロ法人、社保加入サービス、任意継続などを徹底比較!フリーランスにおすすめの社会保険は?
環境の変化
・情報が増えました。私が開業した頃は「フリーランス薬剤師のなり方」の情報がほとんどなく、調べることに時間がかかりましたが、現在はマッチングサービスや発信者が増え、始めるハードルは間違いなく下がっています
・フリーランス保護の法律ができました。2024年11月にフリーランス法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)が施行され、契約条件の明示などが義務化されました。
・仲間とつながりやすくなりました。フリーランス薬剤師同士の交流会も主催するようになり、孤独になりがちな働き方を支え合える環境が育っています。

「珍しい働き方」から「選択肢の1つ」へ、少しずつ変わってきた4年間でした。
それでも、準備なしで飛び込んでいい働き方ではないことは変わりません。
よくある失敗
私自身の反省と、相談を受けてきた中でよく見る失敗を4つ紹介します。
①準備が整う前に退職してしまう
生活費の確保・保険の選択・開業届の下調べをせずに辞めると、収入が安定するまでの数ヶ月を不安だけで過ごすことになります。退職前の準備がすべての土台です。
②相場を知らずに単価を決めてしまう
安すぎると疲弊し、根拠なく高すぎると契約が続きません。まずは地域の派遣薬剤師の時給などを調べて、自分なりに基準を持つことが大切です。
③1つの契約先に依存してしまう
契約が1カ所だけだと、先方の都合ひとつで収入がゼロになります。複数の契約先を持つことが、フリーランスにとっての「安定」に繋がると思っています。
④お金の管理を後回しにしてしまう
確定申告や経費の記録を後回しにすると、あとから必ず苦しくなります。
税務署から「お尋ね」が届くこともあります。開業と同時に、記帳の習慣だけは作っておくことをおすすめします。
>>フリーランス薬剤師に関する税金4種!節税・納付方法を解説
>>フリーランス薬剤師と薬局はインボイス登録すべき?簡単に図解します
次に取るべき行動
ここまで読んで「自分もやってみたいかもしれない」と感じた方は、次の3ステップで進めてみてください。
①まず、収入のリアルをもう少し具体的に知る
月ごとの収入の波を公開した年収記事で、生活のイメージをつかんでください。
②退職前の準備を、順番どおりに進める
この記事で紹介した準備(生活費・保険・開業届・賠償責任保険)を1つずつ確認していきます。
③迷ったら、経験者に聞ける環境を持つ
公式LINEでは無料相談(1回)やお得情報の発信をしています。
同じ道を進む仲間とつながれるオンラインサロンも運営しているので、1人で抱え込まずに進んでください。
フリーランス薬剤師への一歩は、転職以上に勇気がいる決断かもしれません。
それでも、迷いながらの小さな準備からで大丈夫です。
私も「何から始めればいいのか」という、100点ではない状態からのスタートでした。
独立までに必要な準備を、順番どおりに確認したい方へ
この記事の内容を、退職のタイミングから、最初の案件の取り方、開業届の出し方まで、実際にやる順番のとおりに1冊にまとめた本を出版しています。
「フリーランスになりたいけど、何から始めればいい?」という方へ
フリーランス薬剤師の”0から1″を、順を追って紹介した1冊です。
『0→1を達成!フリーランス薬剤師超入門ガイドブック』
Amazonでのぞいてみる▶
実は、シリーズは全3巻あります。独立後・法人化と、あなたの現在地に合った巻の選び方は下記のページにまとめています。
無料コンサルやお得情報満載の公式LINE登録はこちら!
気になる方は、よろしければ「合同会社フリラ・プラス」のnoteや公式ホームページをのぞいてみてください。




