皆さんは「フリーランス薬剤師」という言葉を聞いたことがありますか?
フリーランス薬剤師は会社に属さずに独立をして、自分で働き方を選ぶことができる薬剤師のことです!
フリーランス薬剤師になるためには、自分自身の「やれること・やれないこと」「重視すること・重視しないこと」などの取捨選択をして、様々な挑戦をしていく必要があります!
この記事では、フリーランス薬剤師になるための基本の情報から、フリーランス開業1年目の私の実際の年収、メリットとデメリット、必要な資格やスキルまで、初心者でも理解できるように分かりやすく解説していきます!
網羅的にまとめているため、それぞれについて詳しく知りたい場合は記事内のリンクや、私が書いた書籍(フリーランス薬剤師超入門ガイドブック)も参考にしていただければ幸いです!
この記事はくくたる@薬剤師(Twitter)が作成しています。
2023年9月にフリーランス薬剤師の書籍を出版しました!
ありがたいことにベストセラーを獲得できましたので、興味を持っていただけたらぜひ購入も検討してみてください!
ちなみにKindle Unlimitedに加入されている方は【無料】でお読みいただけます!
Kindle Unlimitedは30日無料体験や特別プランがあるため、加入を検討中の方はぜひこの機会にお試しください!
ステップ1:フリーランス薬剤師について知ろう!
ステップ1では、薬剤師(会社員)としての枠を超えたキャリアを望むあなたに、フリーランス薬剤師という選択肢があることを知っていただければと思います!
フリーランス薬剤師として活動するための知識と準備の概要を簡潔に紹介します!
フリーランス薬剤師とは何か?
フリーランス薬剤師とは、病院や薬局・会社に属さずに、自分自身で仕事を探し、契約する薬剤師のことです!
自分自身で仕事の営業なども行えるため、フリーランス薬剤師は自分の得意分野を活かすなど、柔軟な働き方を実現することができます!
フリーランスと派遣薬剤師の基本的な違い
まずは、フリーランス薬剤師と派遣薬剤師を混同して考えている方に向けて、異なる点を紹介します!
フリーランスと派遣薬剤師の違いは、雇用の形態にあります!
派遣薬剤師は派遣会社に所属して働く(雇用契約)のに対し、フリーランス薬剤師は直接クライアントと契約(業務委託契約)をします!
フリーランス薬剤師は自分でクライアントの営業先を決めるなど、より高い自由度を得られますが、派遣薬剤師と比べると仕事の安定性は低くなりがちです!
逆に派遣薬剤師は週○日、○時間以上などと条件を指定して仕事を得られることと、日雇い派遣の原則禁止などの影響により、フリーランスと比べると仕事の安定性が担保されています!
>>フリーランス薬剤師!初の薬局営業に行った感想と次回以降の対策
会社員と比べて安定性が低くなることは事実ですが、安定性が低い=生活ができないではないと、フリーランス薬剤師1年目の私は実感しています!
フリーランス薬剤師の一日
一般的なフリーランス薬剤師の1日は、様々な場所での業務があるため、日によって大きく異なります!
1日の計画は自分で組む必要がありますが、例えば1日4~6時間で働くという選択をするなど、働き方に柔軟性を持たせられる点が魅力の1つです!
また、WEBライターや動画編集、SNS広告のお仕事などをする場合は、よりいっそう時間と場所の自由度が増します!
>>X(Twitter)活用で企業案件を獲得!お仕事依頼の採用理由を解説【SNS副業】
会社員の場合は、この日は○○薬局で○時~○時と勤務場所・日時を指定されて月の労働時間も決まっておりますが、(複数の契約先がある場合は)働く場所を自分で選べるという点は大きな違いですね!
社員の薬剤師からフリーランス薬剤師になるためには
フリーランス薬剤師になるためには、まずは業界のニーズを理解し、自分のスキルを向上させることが大切です!
業界のニーズというと難しいイメージがあると思いますが、例えば育休の期間中だけ来て欲しい・ラウンダーとして働いてもらいたい・社員が在宅に行く間に外来を回して欲しいというような需要もあるため、視野を広げて考えることが大切です!
意外と盲点ではないかと個人的に思う能力は、①どの薬歴ソフトでも対応できるパソコンスキルと②ラウンダー的な働き方が苦痛にならない、③多少の孤独は許容できるなどです!
その上で開業届けの手続きや賠償責任保険への加入など、独立に必要な手続きについては下記の記事も参考にしてみてください!
>>フリーランス薬剤師に関する税金4種!節税・納付方法を解説
>>フリーランス薬剤師と薬局はインボイス登録すべき?簡単に図解します
>>フリーランスが加入すべき薬剤師賠償責任保険は?薬剤師会と東京海上日動、三井住友海上火災保険を比較
>>フリーランス薬剤師の開業届は無料のfreee開業で業務効率化
ステップ2:フリーランス薬剤師の経済的なリアルを知ろう!
ステップ2では、フリーランス薬剤師の経済的側面に焦点を当て、地域や専門性、そして経験に基づく収入について掘り下げていきます!
正社員との比較や、私自身の1年目の収入の具体例を通じて、フリーランス薬剤師としての経済的展望のリアルをお伝えします!
年収と単価
フリーランス薬剤師の年収は地域や専門性、経験によって大きく異なりますが、一般的には正社員と比べて高めの傾向にあります!
これは、フリーランスの需要はもちろんですが、フリーランスの単価が正社員やパートと同程度だと労働者性があると判断されてしまう可能性があることも理由の1つです!
ちなみに私の場合の単価の決め方は、その地区の派遣薬剤師の時給をベースにして考えております!
労働者性や私の単価の決め方の詳細は、私が執筆した書籍にまとめておりますので、割愛します!
年収に影響を与える要因:地域、経験、専門性
年収は、都市部か地方かという地域の違い、経験年数、専門性が高い分野を持っているかどうかなどにより左右されます!
社員やパートを募集しているものの人員が補充できないという地域(薬局)はありますので、そういった場所ではフリーランス薬剤師の需要は特に高いと考えられます!
ちなみに研修認定薬剤師はフリーランスの単価には反映しにくいと私は考えております!
正社員・パートの場合にはかかりつけ薬剤師の要件的な意味で重宝されますが、フリーランスの場合には活かす機会があまりないと考えられるためです!
研修認定薬剤師は一定の知識・やる気の担保には繋がると思うので、持っていて損はないと思います!
実際のフリーランス薬剤師の収入(私の1年目の年収)
私のフリーランス薬剤師1年目の年収見込みは600万円前後です!
調剤薬局・ドラッグストアの正社員の年収と比べると可もなく不可もなくといった感じではないかと個人的には思っております!
※2023年4月は70万前後の予定でしたが、振込期日などの都合で90万近くになっております。
年収見込みについては、12月末までのご依頼がほぼ満席で確定したため、ある程度の確信がある状況となっております!
年間休日や月の休み・働いた時間を考慮すると、フリーランス薬剤師の方が時給という面では勝っておりますが、収入が安定しない点は不安要素になります!
※WEBコラムの納品、製品紹介の記事・動画制作、ツイート作成の時間は考慮していません。
私の1年目の時給は3,600円~4,200円(税抜)ですが、私のフリーランス仲間から聞いた最高時給は6,000円(税抜)です!
ちなみにフリーランスを始めてから1~4ヶ月目までの収入の不安定さや、その時の思いについては下記の記事で紹介しています!
>>フリーランス薬剤師の年収(月収)は?【調剤薬局・WEBライター】
ステップ3:フリーランス薬剤師のメリットとデメリット
ステップ3では、フリーランス薬剤師のメリット・デメリットを紹介します!
フリーランス薬剤師としての独立は、高い収入と自由な働き方を実現する一方で、正社員と比べて社会保障の欠如や収入の波があります!
メリットとデメリットを把握することで、リスク管理を行うことが重要です!
メリット1:高収入の可能性とその条件
フリーランス薬剤師は高収入を得られる可能性があります!
それを達成するためには薬剤師としての経験はもちろんですが、良好なクライアント関係が重要です!
私の場合はマッチングサービスで紹介してもらった薬局の従業員から、別の薬局の経営者と会食をする機会をいただけ、そこから個人契約に繋がった経験があります!
自然な流れで得られる人間関係は、とてもありがたいです!
メリット2:柔軟な働き方と生活バランス
フリーランス薬剤師は、ライフスタイルに合わせた仕事のスケジュールが組めるため、柔軟な働き方を目指す方におすすめです!
ただし、仕事は助け合いの精神が大切ですので、自由気ままにスケジュールを組むわけではなくお互いの折り合いが良い状況を目指していくことになります!
デメリット1:社会保障と収入の不安定さ
しかし、社会保障の面では正社員のような充実した制度がなく、収入が不安定になりがちですので自己管理をしっかり行うことが大切です!
会社で社会保険に加入していた場合、任意継続(社保)に2年間加入を続けられる可能性があります!
健康保険の金額比較については下記の記事を参考にしてみてください!
>>退職後の生活費(健康保険・住民税・年金など)がいくらか計算
>>フリーランスは薬剤師国保に入れる?社保・国民健康保険どれがお得?料金比較
デメリット2:薬剤師以外の様々なスキルが必要
フリーランス薬剤師として独立して働くためには、仕事の獲得から日々のお金・税金の管理、健康保険の手続きまで、全て自分自身で行う必要があります!
税金や営業など各種必要な知識・スキルについては下記の記事でもまとめています!
>>フリーランス薬剤師に関する税金4種!節税・納付方法を解説
>>フリーランス薬剤師と薬局はインボイス登録すべき?簡単に図解します
>>フリーランス薬剤師!初の薬局営業に行った感想と次回以降の対策
>>X(Twitter)活用で企業案件を獲得!お仕事依頼の採用理由を解説【SNS副業】
デメリットとして紹介をしておりますが、自身のスキルアップに役立つことばかりですので、完全なるデメリットではありません!
ステップ4:フリーランス薬剤師として独立するための資格や手続き
フリーランス薬剤師としての独立は、特別な資格も必要ないため、思った以上に簡単です!
ただし、フリーランスとして収入・支出をコントロールするためのポイントを押さえて生活を安定させることは、簡単ではないと感じています!
ステップ4では、開業の際に必要な手続きや賠償責任保険、健康保険選び、税金管理など、フリーランス薬剤師として知っておくべき要点を簡潔に紹介します!
必要な資格と開業届出の手続き
実はフリーランス薬剤師になること自体は簡単で、薬剤師の資格取得と保険薬剤師の登録さえできていればその他の資格は必要ありません!
さらに最近では、フリーランス薬剤師のマッチングサービスも多数あるため、最初の0→1は達成しやすくなっているといえるでしょう!
※マッチングサービスを利用する場合は薬剤師経験〇年という感じで条件が提示されている場合があります。
ただし、フリーランス薬剤師の業務を本格的に始める場合には、開業届けの提出などの行政手続きを済ませなければなりません!
各種手続きについては下記の記事を参考にしてみてください!
>>フリーランス薬剤師の開業届は無料のfreee開業で業務効率化
>>フリーランス開業で私がGMOオフィスサポートを選んだ理由3選【評判・口コミ】
>>開業届で自宅の住所が使用できない時はバーチャルオフィスがオススメ
薬剤師賠償責任保険と健康保険の選択
フリーランス薬剤師の場合は、薬剤師賠償責任保険に加入は必須です!
会社員と違い、万が一調剤過誤を起こしてしまった場合には自分自身で守ることが重要だからです!
また、自分で社会保険や国民健康保険を選択をする必要があります!
薬剤師賠償責任保険の比較や健康保険の比較の詳細は下記の記事にまとめています!
>>フリーランスが加入すべき薬剤師賠償責任保険は?薬剤師会と東京海上日動、三井住友海上火災保険を比較
>>退職後の生活費(健康保険・住民税・年金など)がいくらか計算
>>フリーランスは薬剤師国保に入れる?社保・国民健康保険どれがお得?料金比較
税金の管理と節税の対策
税金の管理はフリーランス薬剤師にとって避けて通れない問題です!
節税のために必要経費を正しく理解し、適切に申告することが重要です!
各種税金やインボイスについては下記の記事でまとめております!
>>フリーランス薬剤師に関する税金4種!節税・納付方法を解説
>>フリーランス薬剤師と薬局はインボイス登録すべき?簡単に図解します
ステップ5:フリーランスとしてのキャリア構築
フリーランス薬剤師としてのキャリア構築は、ネットワーキングと人脈の構築が大切です!
業界イベントへの参加、SNSの活用、知識共有の場を通じて新たなチャンスを掴み、自身の価値を高めていきましょう!
実際に私の経験からも、仕事の獲得や専門性の向上、良好なクライアント関係の構築に不可欠であることを確信しています!
ネットワーキングと人脈の構築
人脈はフリーランスにとって最大の資産の1つです!
業界内でのネットワーキングは新しい仕事の機会をもたらし、また、専門性を高めるための情報交換の場にもなり得ます!
セミナーや研修会に参加したり、SNSやオンラインサロンなどを利用することで、人脈を広げていくことが重要です!
私は主にX(Twitter)というSNSを利用しており、リベシティというオンラインサロンも利用していました!
また、ある薬局の管理薬剤師の方からは、個人的に行われている定期開催の勉強会にも誘っていただけて、勉強になるだけでなく人脈を広げることも繋がっています!
ブランディングとマーケティング
自分自身のブランドを築き、適切なマーケティングを行うことで、フリーランス薬剤師としての価値を高めていきましょう!
ネットワーキングと人脈の項目と被りますが、SNSやブログなどを活用して自分の専門知識や経験を公開は、クライアントへのアピールに繋がります!
私は、①YouTube、②ブログ、③Kindle書籍、④企業のコラム記事執筆、⑤企業の製品紹介記事・動画、⑥企業のX(Twitter)でのイベント告知などに取り組みながら、実績を積んでいます!
良好なクライアント関係の維持
一度築いたクライアントとの良好な関係は、長期にわたる安定した収入源につながります!
信頼関係を築き、高品質なサービスを提供することで、リピート契約や紹介を得ることが可能になります!
2023年11月次点では、3ヶ所の薬局様と継続契約をさせていただいております!
2023年12月からは、4ヶ所の薬局様と継続契約をさせていただくことになる予定です!
ステップ6:フリーランス薬剤師の開業サポート・コンサルタント
私は2023年1月にフリーランス薬剤師として開業し、専業主婦の妻と2歳の子どもの家族3人で約1年間生活を安定させることができました!
フリーランス薬剤師をやってみるという決断は、転職活動以上に勇気がいる行動だと思います!
どんな準備をして、どの道を選べば良いか、私の1年間の経験が皆様の参考・後押しになれればと思い、フリーランス薬剤師のコンサルタントも始めました!
2023年11月時点で、約6名の方にご利用いただいております!
フリーランス薬剤師の開業をする際、最も大切なのは、自身のビジョンを実現するための具体的な計画です!
特に開業したての頃は毎月ドキドキしてしまうと思うので、少しでも安定した生活を送るために、慎重かつある程度の確信を持って準備を進める必要があります!
私が当時フリーランス薬剤師になろうと思った時は、まだまだなり方に対する情報が出回っていなかったので調べることに時間がかかりました!
これから始めたいと思っている皆様は、ぜひ当ブログや書籍、コンサルタントの利用を検討していただければと思います!
ちなみに私が開業する際に最初に直面したのは「何から始めればいいのか」という疑問と不安でした!
しかし、しっかりと下調べをして知識を身につけて準備をすることで、これらの疑問や不安はある程度解消されます!
私が開業後の1年間で学んだ知識と経験を、これからフリーランスの開業を考える薬剤師の皆様に共有することで、皆様の成功への近道(安心)をサポートさせていただければと思います!
コンサルタントに関するご質問やお問い合わせは公式LINEよりお願い致します!
最後に
フリーランス薬剤師としての生活は、会社員と比べると自由に仕事時間や仕事内容、職場を選択できる余地が多く、自己実現の可能性を高めることができます!
しかし、その生活を維持するためには自己管理能力が求められます!
フリーランスとして安定をさせるためには、マッチングサービスを利用するなど、先人からのアドバイスやサポートを積極的に取り入れることが大切です!
最後に、フリーランス薬剤師をスタートさせるための最初の一歩は勇気が必要ですが、それを踏み出した後に得られる経験は自己成長に繋がります!
この記事がフリーランス薬剤師に興味がある皆様のきっかけ作りに貢献できれば幸いです!