こんにちは、くくたるです。
私は2013年から薬剤師としてドラッグストアに勤務し、2023年1月にフリーランス薬剤師として開業、2025年1月に合同会社フリラ・プラスを設立して、現在はフリーランス薬剤師×法人運営で生活をしています。
フリーランスとして複数の薬局様で働くなかで、これまで本当にいろいろな薬歴システムに触れる機会がありました。
これまで私が使ったことのある薬歴システムは、こんな感じです。
・PharnesX(メディコム)
・DrugstarPrime(ドラッグスタープライム)、
・MEDIXS(メディクス)
・NO@H FOR THE PHARMACY(通称ノア)
・Di Notes II
・Recepty NEXT(EMシステムズ)
・Musubi(ムスビ)
・Pharma-SEED EX(ファーマシード)
・楽歴
など、他にもいくつか使ってきました。
今回は、そのなかでも気になっていた「Musubi(ムスビ)」のAI薬歴機能を実際に使ってみることができたので、使用感を率直にまとめます。
この記事のポイント(先にまとめ)
✅ マイクはsurfaceの備え付けで十分。投薬台への端末設置も不要だった
✅ 話者分離機能があり、会話に他の人の声が混ざっても比較的問題なかった
✅ SOAP生成中も他の患者様対応ができ、待ち時間のストレスは少ない
✅ 精度はそこそこ高いが、数値の確認と改行・主語の修正は必要
surfaceのマイク性能について

まず気になっていたのが、マイクの性能です。
surface端末(タブレット)を投薬台に置く、または別途Bluetoothマイクを投薬台に設置する必要があるのかと思っていましたが、実際には投薬台付近にsurfaceがあれば、surface内のマイクで十分に音声が拾えました。
surfaceを患者様の見える範囲に置かなくても、少し離れているくらいでも平気だったのは良かった点です。
わざわざ投薬台に端末・別途マイクを用意しなくても、十分に活用できました。
会話の取り方について
続いては、会話の内容の取捨選択についてです。
AI薬歴のモードについて
ムスビには、患者様との会話から薬歴にする「対話モード」と、薬剤師がひとりで話す内容から薬歴にする「ひとり語りモード」があるようです。
今回私が試したのは「対話モード」のみです。
「話者分離」機能がある
私と患者様の会話中に、別の方の会話の声もマイクには入ってしまうことがあります。
※隣の投薬台で会話が始まる、受付の会話など。
ただ、AIの要約では、そういった余分な会話は除外されており、私と患者様の会話のみを抽出してまとめてくれていました。
※録音の文字おこし自体には他の方の会話も含まれており、必要部分のみ薬歴用に要約されます。
ただ、これはもしかしたら、他の会話が紛れることもあるかもしれません。
少なくとも、今回私が使った感じでは特に気になりませんでした。
途中で別の方の投薬が入った場合も録音はされますが、話者分離によってきちんと分けられていますので、わりとストレスフリーです。
SOAPの反映スピードと、待ち時間中の動き
SOAPがすぐ反映されるかどうかも、気になるポイントだと思います。
実際には少し待ち時間がありますが、気にならない程度でした。
※体感数十秒~1分程度。
さらに、SOAPの要約を生成している間も、別の患者様の薬歴を開けます。
つまり、裏で薬歴を作成してもらいながら、別の患者様の服薬指導ができるということです。
あとから先ほどの患者様の要約を、薬歴に反映させられるのは、非常に便利だと感じました。
実際に出力された文章
実際にどんな文章が出てくるのか、抜粋を紹介します。
「脱水による副作用リスクについて説明し、脱水対策を行うよう指導した。」
これが、一発でこのまま出力されました。
完璧なSOAPを毎回作ることは難しいですが、そこそこいい精度で反映されると感じています。
個人的なおすすめの使い方とAI薬歴の懸念点
私がおすすめしたい使い方は「話した内容が、ある程度まとまったメモとしてSOAPに自動分類される感覚」で使うことです。
「1発で完成形の文章はできない」という状況を受け入れた方がいいなという感覚です。
というのも、少なくともどの薬について、どの指導をしたかを100%一致させることが難しいからです。
※それを考慮しても、AI薬歴利用した方が時短になりました。
例えば「今回もアムロジピンが出ていますが、ふらついたりしませんか?」という聞き方であれば、AIがアムロジピンに対して言っていると伝わります。
しかし、実際にはすべての薬剤名を言いながら話すことはなかなかないので、どの薬でどの指導をしたかについては、多少の加工が必要なためです。
そのため、話した内容から「すでに良いように振り分けられているメモ」から、一部直したい部分を修正していくスタイルが、個人的には便利でした。
AI薬歴の懸念点
ただし、注意したい点もあります。
毎回ではないのですが、例えば血圧を120/70と聞いていたのに、130/70のように記録されることがありました。
なので、具体的な数値は、処方せんなどに軽くメモしておくことが必須だと感じています。
また、生成された文章は改行がされておらず、主語が足りない場合がありました。
例えば、こんな文章です。
「〇〇(薬剤)についての脱水時のリスクを指導した。飲み忘れについても指導した。」
これに対し、実際に書きたかった文章は下記の通りです。
「〇〇(薬剤)についての脱水時のリスクを指導した。」
「✕✕(薬剤)の飲み忘れについても指導した。」
このように、改行と主語(主に薬剤名)の見直しは、まだまだ手作業が必要だと感じました。
まとめ
- マイクはsurfaceの備え付けで十分。投薬台への端末設置も不要だった
- 話者分離機能があり、会話に他の人の声が混ざっても比較的問題なかった
- SOAP生成中も他の患者様対応ができ、待ち時間のストレスは少ない
- 精度はそこそこ高いが、数値の確認と改行・主語の修正は必要
色々な薬歴システムを使ってきましたが、AIが「メモを振り分けてくれる」という感覚で使えるのは、MusubiのAI薬歴機能の良さだと感じています。
※他のAI薬歴機能も同様かもしれません(他のAI薬歴はまだ触れていません)
「1発で薬歴が完成する」という、完璧を求めすぎず、メモ代わりとして活用しながら、必要な部分を自分で整えていく。
そのくらいの距離感で使うのが、自分には合っていると感じました。
※面倒に感じる方もいると思いますが、かなり時短にはなっていました。

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