この記事では、フリーランス薬剤師として病院でも働くことができるのかについて紹介します!
実は先日、私が利用しているマッチングサービスの担当者から「病院薬剤師をやってみないか?」と案件をいただくことができました!
私自身はまだ病院薬剤師として働けてはいないのですが、少なくとも別のフリーランスの方はすでに働かれている情報は得ています!
そのため結論は、フリーランス薬剤師として病院薬剤師の働きをすることは可能です!
ただし、医療法により業務委託契約を結んで病院薬剤師として働くことはできません!
ちなみに調剤薬局では業務委託契約を結んで働いています!
今回は「なぜ病院で働く場合は業務委託契約ができないか?」「病院で働くためにはどういう契約ならいいか?」について紹介したいと思います!
この記事はくくたる@薬剤師(Twitter)が作成しています。
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なぜ病院薬剤師は業務委託契約ができないのか?
病院薬剤師として業務委託契約ができない理由は、医療法で業務委託できる内容が限られているためです!
医療法で定められている業務委託ができる内容は下記の8種類です!
①検体検査
②滅菌消毒
③食事の提供
④患者等の搬送
⑤医療機器の保守点検
⑥医療用に供するガスの供給設備の保守点検
⑦患者等の寝具類の洗濯
⑧施設の清掃
※医療法施行規則を調べましたが、例外がある可能性はあります。
医療法施行規則の業務委託に該当する部分(第九条の八~十五)については、下記に引用文を載せますので参考になれば幸いです!
医療法施行規則:第九条の八(検体検査)
第九条の八 法第十五条の三第一項第二号の病院、診療所又は前条の施設(施設告示第四号に定める施設を除く。)における厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする。
一 受託する業務(以下「受託業務」という。)の責任者として、検査業務に関し相当の経験を有する医師が受託業務を行う場所に置かれているか、又は受託業務の責任者として検査業務に関し相当の経験を有する臨床検査技師が受託業務を行う場所に置かれ、かつ、受託業務を指導監督するための医師(別表第一の三において「指導監督医」という。)を選任していること。
医療法施行規則 | e-Gov法令検索
医療法施行規則:第九条の九(滅菌消毒)
第九条の九 法第十五条の三第二項の規定による医療機器又は医学的処置若しくは手術の用に供する衣類その他の繊維製品の滅菌又は消毒(以下「滅菌消毒」という。)の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。ただし、クリーニング業法(昭和二十五年法律第二百七号)第三条第三項第五号の規定により行う医学的処置若しくは手術の用に供する衣類その他の繊維製品(以下「繊維製品」という。)の消毒のみを委託する場合にあつては、第十三号に掲げる基準とする。
一 受託業務の責任者として、滅菌消毒の業務(以下「滅菌消毒業務」という。)に関し相当の経験を有する医師、歯科医師、薬剤師、看護師、歯科衛生士、臨床検査技師又は臨床工学技士を有すること。ただし、病院、診療所又は助産所の施設で滅菌消毒業務を行う場合は、滅菌消毒業務に関し相当の知識及び経験を有する者を受託業務の責任者とすることができる。
医療法施行規則 | e-Gov法令検索
医療法施行規則:第九条の十(食事の提供)
第九条の十 法第十五条の三第二項の規定による病院における患者、妊婦、産婦又はじよく婦の食事の提供(以下「患者等給食」という。)の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。
一 調理業務を受託する場合にあつては、受託業務の責任者として、患者等給食の業務に関し、相当の知識及び経験を有する者が受託業務を行う場所に置かれていること。
医療法施行規則 | e-Gov法令検索
医療法施行規則:第九条の十一(患者等の搬送)
第九条の十一 法第十五条の三第二項の規定による患者、妊婦、産婦又はじよく婦の病院、診療所又は助産所相互間の搬送の業務及びその他の搬送の業務で重篤な患者について医師又は歯科医師を同乗させて行うものを適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。
一 受託業務の責任者として、患者、妊婦、産婦又はじよく婦の搬送に関し相当の知識及び経験を有する者を有すること。
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医療法施行規則:第九条の十二(医療機器の保守点検)
第九条の十二 法第十五条の三第二項の規定による第九条の八の二に定める医療機器の保守点検の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。
一 受託業務の責任者として、相当の知識を有し、かつ、医療機器の保守点検業務に関し三年以上の経験を有する者を有すること。
医療法施行規則 | e-Gov法令検索
医療法施行規則:第九条の十三(医療用に供するガスの供給設備の保守点検)
第九条の十三 法第十五条の三第二項の規定による医療の用に供するガスの供給設備の保守点検の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。
一 受託業務の責任者として、高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)の規定による販売主任者又は製造保安責任者の資格を有し、かつ、医療の用に供するガスの供給設備の保守点検業務に関し三年以上の経験を有する者を有すること。
医療法施行規則 | e-Gov法令検索
医療法施行規則:第九条の十四(患者等の寝具類の洗濯)
第九条の十四 法第十五条の三第二項の規定による患者、妊婦、産婦又はじよく婦の寝具又はこれらの者に貸与する衣類(以下「寝具類」という。)の洗濯の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。ただし、診療所及び助産所における当該業務を委託する場合にあつては、第十号に該当する者であることとする。
一 受託業務を行うために必要な従事者を有すること。
医療法施行規則 | e-Gov法令検索
医療法施行規則:第九条の十五(施設の清掃)
第九条の十五 法第十五条の三第二項の規定による医師若しくは歯科医師の診療若しくは助産師の業務の用に供する施設又は患者の入院の用に供する施設の清掃の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。ただし、診療所又は助産所における当該業務を委託する場合にあつては、この限りではない。
一 受託業務の責任者として、施設の清掃に関し相当の知識及び経験を有する者が受託業務を行う場所に置かれていること。
医療法施行規則 | e-Gov法令検索
ちなみに参考にしたホームページも合わせて載せておきます!
フリーランス薬剤師として病院で働く場合は有期雇用契約が必要!
病院は医療法により一部の認められた業務以外は業務委託契約ができないため、フリーランス薬剤師として働く場合は有期雇用契約が必要です!
有期雇用契約書のテンプレート
有期雇用契約のテンプレートは厚生労働省で公開されていますので、どのような項目があるかの参考として役立ちます!
googleで「労働条件通知書 – 有期雇用型」と検索をすると出てくると思います!
ちなみに契約の形態は違いますが、契約内容自体は業務委託契約とあまり変わらないという情報を得ています!
業務委託契約書の内容について興味のある方は、下記の記事も参考にしてみてください!
>>フリーランス薬剤師の業務委託契約書の作り方と最低限の記載内容は?
病院薬剤師として働く場合は派遣薬剤師をおすすめします!
フリーランス薬剤師のマッチングサービスで病院の案件がある場合は、有期雇用契約書を作成してもらえる可能性があります!
しかし、案件がない場合には自分で営業や交渉を行い有期雇用契約書の内容を病院とすりあわせる必要が出てきます!
どのみち有期雇用契約をして働くのであれば、派遣薬剤師やパート・アルバイトとして働くことと大差はないと考えられますので、フリーランス薬剤師の働き方に近い派遣薬剤師を私はおすすめします!
待遇が良い案件をいただけたり、自身で営業・価格交渉をしない限りは、派遣薬剤師として働く方が効率よく時給が高い案件に出会える可能性が高いことも魅力です!
地域・時期などで差はありますが、派遣薬剤師であれば時給3000円前後は期待できると考えられます!
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派遣薬剤師は病院・診療所では働けないのでは?
医療機関へ薬剤師派遣は原則できません。
病院や診療所等での医療関連業務の派遣は禁止とされています。(医療事務は派遣OK)
よって、病院や診療所で派遣薬剤師として働くことはできません。
しかし、一部例外があり、「紹介予定派遣」で入る場合や「産後代替派遣制度」を利用しての派遣であれば、働くことができます。
派遣の薬剤師が禁止されている働き方とは?派遣に関する法律と派遣のメリット・デメリットを解説 | 派遣会社カタログ
紹介予定派遣は一定期間派遣薬剤師として働いた後、双方が合意した場合には社員として働く予定となる制度です!
産後代替派遣制度は、産休や育休を取っている方の代わりにその期間中のみ派遣薬剤師として働く制度です!
最後に
というわけで今回はフリーランスとして病院薬剤師の働き方ができるかどうかについて紹介しました!
フリーランス薬剤師として働くことは可能ではあるのですが、マッチングサービスや知り合いの紹介などで案件をいただける状況でなければ、派遣薬剤師やパート薬剤師として高単価の案件を探す方法を私はおすすめします!