マイクロ法人、社保加入サービス、任意継続などを徹底比較!フリーランスにおすすめの社会保険は?

フリーランス薬剤師

この記事では、フリーランス薬剤師が加入できる健康保険と年金について、マイクロ法人設立、社保加入サービス、任意継続などのパターン別に比較をして、メリット・デメリットを紹介します!

 

私は以前「フリーランス薬剤師 超入門ガイドブック 第1巻」やこちらの記事で、健康保険の切り替えについて紹介をしたことがあります!

しかし、当初は「フリーランス+マイクロ法人兼業」については予定していなかったため、本記事ではよりパワーアップした情報をお届けしたいと考えております!

また、近年話題になっている「社会保険加入サービス(※正式名称ではありません)」についても触れていきたいと思います!

ぜひ最後まで読み進めていただければ幸いです!

  

この記事はくくたる│15薬局契約中│フリーランス薬剤師(Xアカウント)が作成しています。

ヤクテンのプロフィール(2023年)

 

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ありがたいことにベストセラーを獲得できましたので、興味を持っていただけたらぜひ購入も検討してみてください!

 

そしてその続編も出版しました!

フリーランス薬剤師になってから得られた知識や経験、経営者からのアドバイス、私以外のフリーランス薬剤師の方5名のコラムも載せた力作です!

 

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以前に紹介したフリーランスが加入できる健康保険

以前の記事・書籍では、フリーランスが加入できる健康保険について下記の3つを紹介しました!

 

これら各種保険料の金額の調べ方は記事と書籍でまとめているため、この記事では最低限の情報を紹介します!

・国民健康保険:居住地の市役所に電話するか、「国民健康保険計算機」を活用する!

・薬剤師国保(国民健康保険の1種):各都道府県の薬剤師国保のホームページを参考にする!

・任意継続(社会保険の1種):保険証に記載されている保険者(○○協会けんぽ、○○組合など)に電話して確認する!

 

>>退職後の生活費(健康保険・住民税・年金など)がいくらか計算

 

マイクロ法人、社保加入サービス、任意継続などのメリット・デメリット

マイクロ法人を設立した場合と社保加入サービスを利用した場合、任意継続の加入などのメリット・デメリットなどを紹介します!

個人的なおすすめは、①マイクロ法人設立、②社保加入サービス、③任意継続の順です!
※あくまでも社会保険・年金のみを考慮した場合。

 

まずは、以前にも紹介した任意継続のおさらいから紹介します!

 

任意継続(社会保険)のメリット・デメリット

任意継続は、退職後にも会社に所属していた時と同じ社会保険に最長2年間加入できる制度です!

 

任意継続の保険料は会社員時代の給与をもとに算出され、保険料は2年間固定で決まります!

任意継続に加入するためには、退職日の翌日から20日以内に手続きを進める必要があります!
※20日以内という条件は変更となる可能性が考えられるため、退職前に保険者のホームページや電話で確認することをおすすめします。

 

 

 

マイクロ法人設立(社会保険)のメリット・デメリット

マイクロ法人の設立は、私のイチオシです!

 

 

マイクロ法人の最大のメリットは、役員報酬の金額によって社会保険の加入義務が生じるため、家族を扶養に入れられたり厚生年金に加入できることです!

任意継続では会社員時代の給与を元に保険料が決まりますが、マイクロ法人なら社長(=自分)の役員報酬額をもとに健康保険料・厚生年金保険料が決まります!

 

くくたる@薬剤師
くくたる@薬剤師

これがいかにすごいことかわかるでしょうか?

 

マイクロ法人がすごいといえる理由は、役員報酬次第で「保険料を自分の裁量でコントロールできる点」です!

国民健康保険や会社員時代の社会保険料は「収入」に応じて自動的に決まりますが、マイクロ法人を設立した場合は役員報酬を自分で設定できます!

そのため、社会保険に加入できる最低限の金額で役員報酬を設定すると、任意継続(社会保険)や国民健康保険+国民年金と比較して、負担額が大幅に抑えられる可能性があるのです!

さらに、フリーランスとしての事業収益がいくら多くても、社会保険料は「マイクロ法人の役員報酬」に対してのみ算出されます!※2024年12月時点の制度上。

言い換えるなら、フリーランス(個人事業主)としてどれだけ稼いでも、社会保険料は一定というイメージです!

 

くくたる@薬剤師
くくたる@薬剤師

「社会保険料定額! 稼ぎ放題プラン!」という感じですね!

 

 

くくたる@薬剤師
くくたる@薬剤師

私は現在マイクロ法人の設立を検討していますが、定款(会社の決まり)を考えたり、弁護士や税理士の方に問題ないか確認を依頼したりと、色々とやるべきことが増えている実感はあります!

そういう作業面を楽しめる方には、マイクロ法人の設立はおすすめできると考えられます!

 

社会保険加入サービスのメリット・デメリット

私が2023年9月に第1巻を執筆していたときは、いわゆる「社会保険加入サービス」の存在を知らなかったため紹介できませんでした…!
※「社会保険加入サービス」という名称は正式ではありませんが、ネット検索をするといくつかの会社が出てきますので、ここでは便宜上そう呼ばせていただきます。

ひとことで言うならば「会社に所属して社会保険に加入できるサービス」です!

グレーゾーンに触れる可能性もありそうなので具体的な会社名は控えますが、イメージとしては以下のような仕組みです!

このような感じで、毎月40,000円(会社により金額は異なります)で社会保険(健康保険+厚生年金)に加入できるというサービスです!

 

参考までに、私の家族を例に任意継続と国民健康保険の場合の合計金額を紹介します!

このような感じで40,000円前後で社会保険と厚生年金に加入できるとなると、メリットは大きいように感じます!

 

しかし、加入する会社によっては、労働実態がない(可能性がある)というグレーな部分がありそうです…!

労働実態がない(実際は働いていない)ことの何が問題かというと、社会保険の加入資格がないのにも関わらず不正に加入をしていると判断される可能性があることです!

 

くくたる@薬剤師
くくたる@薬剤師

私が調べた限りでは、どの会社もそのあたりはクリアしているように記載されておりますので、私が過剰に心配しすぎているだけかもしれません…!

 

ちなみに社保加入サービスは、一般社団法人や株式会社などで運営されているところが多く、法人によって役職や仕事内容・仕事時間などが異なると考えられます!

 

【一般社団法人の場合】

一般社団法人の場合は、理事として加入する会社が多い印象です!

理事として加入する場合は、理事報酬となるため労働時間にとらわれず、労働実態の問題は少ないように思います!(個人の考えです)

しかし、万が一会社で何か問題が起これば、理事である以上何らかの責任を取らされる可能性があることと、法務局などで調べることのできる全部証明書などにフルネームが記載される点が、私の懸念事項です!

 

【株式会社の場合】

株式会社の場合は、一般社員(従業員)として加入する会社が多い印象です!

一般社員(従業員)として加入する場合は、理事などの役職ではないため会社に何かあった場合の責任問題は少ないように思います!(個人の考えです)

しかし、一般社員(従業員)は所定労働時間などが決まっており、時給ベースの働き方となるため、仕事内容によっては労働実態に見合わないと判断される可能性がある点が、私の懸念事項です!

 

くくたる@薬剤師
くくたる@薬剤師

ちなみに私は、任意継続が切れてからマイクロ法人を設立するまでのつなぎで社会保険加入サービスを利用しようと考えていました!

しかし、私の場合は契約書の内容でいくつか気になる点が出てきたため、担当の方に謝罪して加入を断念しました…!

 

派遣薬剤師とフリーランス薬剤師を兼業するメリット・デメリット

社会保険(健康保険+厚生年金)に加入する方法として、派遣薬剤師とフリーランス薬剤師を兼業する方法が考えられます!

 

 

多くの派遣会社が社会保険加入の条件として「週20時間以上の勤務」を定めていると考えられるため、1日8時間働く場合には週2.5日程度は派遣薬剤師として働く必要があります!

そのため、フリーランス薬剤師として働く時間が減ってしまう点や、派遣薬剤師としての収入が増えると社会保険料も上がる点などが懸念点として考えられます…!

 

くくたる@薬剤師
くくたる@薬剤師

派遣薬剤師とフリーランス薬剤師の兼業は、社会保険に加入できるため、国民健康保険+国民年金よりは安くなるだろうという位置づけです!

 

私の実体験に基づく3パターンの保険料を比較!

私の場合、任意継続が2年経過したタイミングでマイクロ法人を設立する予定でしたが、準備が間に合わずに国民健康保険に加入をする状況が発生しました…!

結果として、国民健康保険、任意継続、マイクロ法人の3パターンすべての保険料を把握することができたので、一例として紹介します!

 

くくたる@薬剤師
くくたる@薬剤師

前提として、私の家族構成は妻(青色事業専従者)と子ども1人の合計3人家族です!

 

 

くくたる@薬剤師
くくたる@薬剤師

③マイクロ法人の社会保険料は、会社が社会保険料を半分負担する仕組みのため、会社負担分も合わせると約22,000円になります!

 

これらを比較すると、健康保険と年金のトータルコストはマイクロ法人が圧倒的に安く済むことがわかります!

※マイクロ法人の役員報酬設定額と具体的な社会保険料については、別記事または書籍の3巻で紹介予定です。

本記事のまとめ

この記事を見ると「マイクロ法人最強!」という印象を持つ方も多いかもしれません!

しかし、フリーランスの働き+法人も経営していかなければならない分、業務負担は確実に増えます!

特に法人の場合は、フリーランス以上に手続きが煩雑でわかりにくい部分が多いです…!

 

また、役員報酬を最低限に設定した場合は法人からの給与だけでは生活が難しいため、フリーランスとしてある程度安定した収入が必要となります!

 

くくたる@薬剤師
くくたる@薬剤師

そうした事情から、下記のような段階を経ていく方法を個人的にはおすすめします!

 

 

ちなみにこのおすすめは、あくまでも社会保険料だけに注目した考え方です!
※2024年12月時点の制度上での話。

 

今後の法改正で「フリーランス(個人事業主)も社会保険加入が必須」となる状況になれば、マイクロ法人での収入だけでなく個人事業で稼いだ分にも社会保険料がかかるようになるかもしれません…!

そうなれば、マイクロ法人はただ業務負担が増えるだけの会社になってしまうリスクもあります!

 

くくたる@薬剤師
くくたる@薬剤師

改正されないことを祈りつつ、現行制度のメリットをうまく活用していきましょう…(笑)

 

というわけで、今回はマイクロ法人、社保加入サービス、任意継続などの比較と、それぞれのメリット・デメリットについて紹介しました!

現在執筆中の第3巻では、マイクロ法人の詳細や社会保険加入サービスを利用する際の注意点などをさらに掘り下げていく予定です!

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