この記事では、フリーランス薬剤師(個人事業主)に関わる税金4種類と、申告方法・節税方法について紹介します!
「確定申告って難しそうだしめんどくさそう…!」
「節税って何か悪いことをしてるのでは…?」
会社員として働いていると、年末調整や給与から天引きされているなど、自分自身が税金について考える機会が極端に少ないですよね?
個人事業主になると今まで会社がしてくれていた税金の手続きは、すべて自分で行うことになります!
税金の手続きは手間がかかる印象がありますが、自分で行えるので会社員と比べて節税できる余地が増えるというメリットもあります!
ちなみに私は開業当時、税金の知識はほとんどありませんでした!
開業後にいきなり納税するわけではありませんし、徐々に覚えていけば大丈夫ですので安心してください!
個人事業主に関する税金は、所得税、住民税、消費税、事業税(個人事業税)の4つが該当します!
これらの税金に関する知識を持つことは、自分自身の税金を管理し、節税対策を行う上で非常に重要です!
この記事が税金について不安に感じている方の参考になれば幸いです!
この記事はくくたる@薬剤師(Twitter)が作成しています。
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フリーランス関連の記事は下記でも紹介しておりますので、興味を持っていただけたらぜひ見てみてください!
>>フリーランス薬剤師と薬局はインボイス登録すべき?簡単に図解します【個人事業主】
>>フリーランス薬剤師の開業費用や年間に必要な費用・経費は?
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フリーランス薬剤師の税金①:所得税
所得税とは、フリーランス薬剤師が事業で得た収入(所得)に対して課せられる税金であり、確定申告を行うことで納付します!
※税理士に依頼することもできます!
【所得金額の計算方法】
所得金額 = 収入金額 – 必要経費
【課税所得金額の計算方法】
課税所得金額 = 所得金額 – 所得控除額
※所得控除額:扶養控除、社会保険料控除、生命保険控除などの合計額
【所得税額の計算方法】
所得税額 =( 課税所得金額 × 所得税率 – 控除額 – 税額控除 )× 1.021
計算方法を見るとややこしいと感じますが、所得金額と所得控除額の2点を把握しておけば問題ないと考えられます!
所得税の税率は課税所得金額によって異なり、課税所得金額が高いほど税率も高くなります!
経費や所得控除をうまく活用して課税所得金額を減らすことで、税金の負担を軽減することができることがポイントです!
ちなみに所得金額を減らすことは、後に紹介する住民税、事業税、消費税のすべてに対して関わります!
必要経費がいかに節税対策に役立つかがわかりますね!(?)
所得税の納付方法
所得税は自分で確定申告をする必要があり、毎年2月16日~3月15日の期間に行います!
確定申告は会計ソフトを利用してインターネット上で行えますし、不安な方は税理士に依頼することもできるため、敷居はそこまで高くないと私は思います!
ちなみに私は会計freeeという会計ソフトのスタンダードプランを利用しています!
無料から使える会計ソフト「freee(フリー)」
フリーランス薬剤師の税金②:住民税
住民税とは、国民一人ひとりが市区町村に対して納付する税金のことです!
市区町村に居住している人が対象であり、収入(所得)に応じて課税されます!
【住民税の計算方法】
住民税 = 所得割 + 均等割
所得割は所得金額により税額が変動しますので、所得税と同様に税金の負担を軽減できることがポイントです!
均等割は所得金額に関係なく、住んでいる地方自治体によって税額が決まっています!
住民税の納付方法
住民税の納付先はその年の1月1日時点で住民票がある市区町村で、納税通知書と納付書が届くため指定された期日までに支払いを行います!
【住民税の納付期限】
①一括の場合:6月末まで
②4期分割の場合:6月、8月、10月、1月末まで
支払通知書が届くため支払い期限にさえ注意しておけば、難しい手続きなどは一切ありません!
フリーランス薬剤師の税金③:事業税
事業税とは、法人や個人事業主などの事業主に課せられる税金のことで、日本では所得税や消費税とともに三大税金のひとつとして位置づけられています!
事業税には個人事業税、法人税、法人事業税がありますが、今回は個人事業主の事業税の計算方法を紹介します!
【個人事業税の計算方法】
個人事業税 =(前年の事業所得 – 事業主控除290万円 )×法定事業ごとの税率
※薬剤師業の税率は5%
個人事業税は所得金額により税額が変動しますので、所得税や住民税と同様に税金の負担を軽減できることがポイントです!
事業主控除(290万円)があるため、1年間の事業所得が290万円以下の場合は納付義務がないこともポイントです!
事業税の納付方法
事業税の納付先は都道府県で、納税通知書と納付書が届くため指定された期日(8月と11月末)までに支払いを行います!
フリーランス薬剤師の税金④:消費税
消費税は、商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して広く公平に課税される税で、消費者が負担し事業者が納付します。
消費税のしくみ|国税庁
国税庁の文章を引用しましたが、実は消費税の納付は事業者(個人事業主など)が行います!
消費税の計算方法は、本則課税方式(原則課税方式)と簡易課税方式の2種類があります!
【本則課税方式(原則課税方式)】
納付税額 = 売上にかかる消費税 – 仕入にかかる消費税
【簡易課税方式】
納付税額 = 売り上げにかかる消費税 -(売り上げにかかる消費税 × みなし仕入率)
計算式だけみるとわかりにくいですが、仕入にかかる消費税を計算するのはなかなか大変です…!
そのため、仕入にかかる消費税の計算の手間を省いた方法が簡易課税方式ですね!
消費税の納税方法は、本則課税と簡易課税の2つに分けられますが、インボイス制度の導入で納税方法などに大きく影響するのは本則課税です。簡易課税制度を選択している事業者はその納税方法に大きな変更はありませんが、取引先によってはインボイス制度への対応も検討しなければなりません。
インボイス制度で簡易課税制度はどうなる?新たに課税事業者になる場合の軽減措置についても解説 | 経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識 | クラウド会計ソフト freee
消費税を払わなくていい? 免税事業者とは?
事業者(個人事業主)は課税事業者と免税事業者のどちらかに分類され、条件を満たしている場合は消費税の納税が免除される免税事業者になることができます!
【免税事業者の条件】
①2年前の課税売上高が1000万円以下の場合
②特定期間の課税売上高が1000万円以下の場合
③特定期間の給与支払い合計額が1000万円以下の場合
※②③は①以外の場合です。
【特定期間とは】
個人事業者の場合:その年の前年の1月1日から6月30日までの期間
法人の場合:原則としてその事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間
例えば1月の売上が30万円だった場合、消費税(10%)は3万円です!
課税事業者として3万円の消費税を納めるか、免税事業者としてそのまま利益にできるかはかなり違ってきますよね!
免税事業者・課税事業者の詳細は下記のHPがわかりやすかったです!
>>No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき|国税庁
>>消費税・地方消費税(個人事業者)の確定申告と納税は正しくお早めに|国税庁
インボイス制度(適格請求書等保存方式)の対応はどうする?
インボイス制度の登録した場合は、免税事業者ではなく課税事業者となりますので消費税を納税する必要があります!
消費税は本来納めるべき税金であるため当然のことなのですが、免税が認められるのであれば免税事業者でいたいというのが私の本音です!
私の結論をいうと、私はインボイスの登録はまだしておらず様子見をしている段階です!
理由としては、契約をしている薬局と私自身(個人事業主)がどちらも免税事業者であればインボイス制度の影響を受けずに済むためです!
インボイス制度は2023年10月から始まるためしばらく様子をみて、各薬局との業務委託契約に支障が出るようであればインボイスの登録をしようと私は考えております!
ちなみに2029年9月までは経過措置があり様子見をするには十分すぎる期間がありますので、焦ってインボイスの登録はしなくてもいいかなと思っております!
>>フリーランス薬剤師と薬局はインボイス登録すべき?簡単に図解します【個人事業主】
消費税の納付方法
個人事業主の消費税は自分で確定申告をする必要があり、毎年2月16日~3月31日の期間に行います!
消費税の年税額が48万円を超える場合は中間申告が必要になる場合があります!
詳細は下記のHPを参考にしてみてください!
個人事業主は青色申告を活用しましょう!
青色申告とは、確定申告の申告方法の1つです!
確定申告には青色申告と白色申告がありますが、青色申告で確定申告をすることで青色申告特別控除の恩恵を得られます!
青色申告特別控除は、所得税に対して最大65万円の控除などの節税メリットがあります!
白色申告は簡易簿記(単式簿記)の作成で済むというメリットがあり、青色申告は複式簿記の作成・e-Taxでの提出をするなど、青色申告の控除を得るためには白色申告に比べて手続きが若干煩雑というデメリットがあります!
しかし、会計ソフトを利用すれば青色申告の手続きを簡潔に行うことができますので、個人的にはそこまで負担には感じておりません!
ちなみに私は会計freeeという会計ソフトのスタンダードプランを利用しています!
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税金の計算に自信がなければ税理士の活用も検討しましょう!
個人事業主が税金を正しく納付するためには税理士の活用が有効です!
税理士は所得税や消費税などの税金に関する知識を持っているため、正確な申告書を作成することができます!
また、税理士は節税のアドバイスを行うことができます!
例えば、経費の適切な計上方法や、特別控除の活用方法などが挙げられます!
税理士の活用によって、個人事業主は税金を適正に納付し、事業の発展につなげることができます!
最後に
今回はフリーランス薬剤師に関わる税金4種類と、申告方法・節税方法について紹介しました!
個人事業主にとって税金は非常に重要な問題であり、所得税や住民税、個人事業税、消費税が課せられます!
正しい税金の納付には、申告期限や税率などの基本的な知識が必要です!
青色申告の活用や日々の経費精算によって所得金額を減らすことが、節税対策を行う上で重要です!
個人事業主は、税金に関する知識をしっかりと身につけ、適切な納付を行うように心がけましょう!
フリーランス関連の記事は下記でも紹介しておりますので、興味を持っていただけたらぜひ見てみてください!
>>フリーランス薬剤師と薬局はインボイス登録すべき?簡単に図解します【個人事業主】